1999年のこと 23


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1999年12月31日大晦日


恐怖の大王が空から降ってくる。
その予言を信じてこの1年、生きてきた。
いや信じ込まなければ、ここまで
生きてこれなかったのかも知れない。
今も残る川上さんの言葉

 

「世紀末だろ。だから今を
一生懸命生きるしかないベー。」

 

明日死ぬかもしれないだから
目の前にあるこの一瞬を一生懸命に。

俺の一年はなんだったのだろうか?
今日で地球終わるとしたら
これでいいのだろうか?
俺がやりたかった事ってなんだったっけ?
そんで明日どうなるんだっけ?

 

東京大賞典有馬記念
30万円の負けをとりかえしたぞ。
だからどうした?
もともとあった運をとりかえしたまでだ!
この運をどう使うかだ・・
そうあれこれ考えてたら

12月30日終わってしまった。
そして寝不足すぎる。
ねむい。めちゃねむい。

 

本日12月31日をもって、
地球がなくなる。
俺の運もここまでか・・


いやっ俺だけじゃない。
全人類地球そのものだ。


この地球そのものがなくなるのだから。
こんな莫大の運をあわせたら、
なんとかなるんじゃない?
神様とか信じてないけど祈る。
願う。

 

 

たのむー!

 

 

 

PM3:00
私が思うに、
恐怖の大王は海からやってくる
ような気がする。山じゃないだろ。
いや宇宙から海におちるだろ。
やっぱ海だ。
一番近くでみてやる!


愛車フォルクスワーゲンで海へ向う。
最後になるなら仕方ない。
一番最初に見てやる大王を!

1時間ぐらい車をとばして鵠沼海岸へ。
さらに海岸沿いを進み背中には鶴岡八幡。
目の前には湘南の海。
高台を探す。大王が見えるとこ・・

 

だいぶ来た。


でっかい立体歩道橋があった。
近くに車を止め歩道橋にのぼる。
左には海。


ちょうど夕暮れで
真っ赤な太陽が沈んでいく。

地球最後の夕日だ。


もう昇ることはない。
もちろん沈むことも。

 

あれっ?富士山?

富士山に夕日がおちていく。

「まじかっ!」

間違いなく富士山だ!!

 

正面にタ焼けの富士山。
左にオレンジに光輝く海。

そしてどこまでも、つづく海岸線。

すごすぎて、

自然と涙がでた。
止まらない。溢れ出す涙。
止まらない。止まらない。

 

夕日は
みるみる富士山の裏側に落ちていく。
どんどん目の前から
太陽の赤がゆっくりと、

でもすごく速い。

20年間生きてきて、
なんで感じなかったんだろう。
夕日の美しさ。
毎日沈んでたはずなのに。

なんで今日なのよっ!
自分に怒りすらおぼえる。


これで最後だからこんなに美しいのか?
それとも毎日普通に

こんな感じなんだろうか?
あっという間に沈んでしまった。

 

でも、富士山の空は
まだオレンジで
その逆方行はもうまっ暗だ。

 

 

光と影。

 

 

まさに光なくして影はなし。
影なくして光の意味なし!

ことわり、理屈。
すべてに意味がある。
素直にそう思える。

 


泣いたら腹が減った。
コンビニでおにぎり2ケと、
からあげクンを買って車にもどる。

 


涙を拭きながら食べた。食べた。
急な睡魔に襲われシートを
たおして寝落ちしまった。

 

「はっ」っと

起きたときには
2000年1月1日のAM1時

「まじかー」

 

2000年の
初日の出はすごく滲んで見えた。

 

 

早く働こうって思った
2000年1月1日。

 

 

金杯って何日だっけ?

未完